世界は救世主を求めている?

〇前書き

ちょうど一年前から考えていたことを言語化しようと思います。

ここ数年でSNS上で見かけることが多い、4コマ漫画的なやつがあると思います。

その中でも設定として気になる作品は以下3点ぐらい。

・外見は不良だけど中身は優しい

・悪役的な存在が実はいい人

・貧しい女の子が金持ちに拾われて幸せになる

 

この設定の作品がSNS上でバズりやすい気がします。

なぜ、この手の設定が今の社会でバズりやすいのかを考えていこうと思います。

 

格差社会的背景

設定のなかで共通している点は「自分が不利な状態である」ということです。

これは、今の社会で生きる多くの人達が思っていることだと思います。

給与が上昇しないなかで、物価や税金がドンドン上がっていき、まじめに働いても生活することだけで精一杯の若者達が多くいます。多くの若者たちが高度経済成長、バブルを楽しんだ人達と比べると圧倒的に不利な状態なのです。働いても働いても生活に余裕が出ない若者とリタイヤ後の生活を謳歌する人達という構図の中で「自分は幸せで計画的な人生を歩んでいる」と言える人は少ないでしょう。

そして、「上がらない給与」と「受け取ることのない年金」という絶望的な状態でもあります。

また、インターネットにより多くの情報が一瞬で手に入り、相手と自分の差をすぐに目にすることが出来ます。容姿、収入、地位など様々な項目において自分が他人と比較した際にどれだけ、劣っているのかを見れてしまう社会なのです。

作品に出てるキャラが不利な状態であるという設定が、格差社会を生きる多くの読者の共感を生んでいるのではないかと思います。

 

〇トランプまたはマトリックス

移民問題格差社会が深刻化するなかで大衆の権利保護を政策とし当選したトランプ氏

ロボットに支配された世界の中で圧倒的なパワーを持ち世界を救う映画 マトリックス

 

現実社会とSF映画と全く異なるものですが、どちらも共通しているのは

不満を持つ弱い立場の人たちにとっては、現状を打破する救世主が現れているのです。

 

前書きが書いたような作品は最終的に弱い立場に立っているキャラが救われて幸せになるという設定です。

こんな展開が自分たちに起こりうるのではないか?

こんな展開であって欲しい

という願望が多くの読者の共感を買っているような気がします。

 

VUCA化が進むなかで、私達は毎日のように信じられないことを見て、聞いて、感じています。

そして、日常生活のなかでも目の前に映る光景すら信じたくない。現状を受け入れることの出来ない人は多くいます。

そんな最悪の現状を打破できる人が現れて、自分を幸せに導いてくれる。そんな救世主を求めているのではないでしょか?

 

 

〇まとめ

格差社会で不満が多い状態を打破できる救世主が現れるのを望んでいる人達が多い

という現状が、SNS上で4コマ漫画がバズる要因ではないのかと考えました。