飲み と コミュニケーション

〇前書き

今年もあと一か月を切りました。会社に勤めている方もそうでない人も、忘年会に参加することが増えてきたのではないでしょうか?

その忘年会に関してニュースになっていたので、そのことについて書こうと思います。

ニュースの内容がこれ↓↓

https://www.mag2.com/p/news/429365

 

今まで恒例となっている忘年会に行かないという選択をする「忘年会スルー」

引用している記事の中でも様々な意見が書かれています。

僕の所属する課は忘年会も新年会もないので、他人事ではありますが、、、

行きたいかと聞かれると、行きたくないない側の人間ですので、引用記事に書かれている意見には共感できます。

なぜ「忘年会スルー」という言葉が現在、流行っているのでしょうか?

その理由を、現代日本で当たり前となっている「飲み」によるコミュニケーションという軸から考えていこうと思います。

 

〇飲みによるコミュニケーションが発達した背景

まず、皆さんが聞いたことのある造語 → 飲みニケーション

この造語は高度経済成長期にできた言葉のようです。日本の景気が右肩上がりで、全員が一致団結する必要性がある状態で、コミュニケーションをより円滑にするために酒を利用したようです。

個人的には高度経済成長により都市一点集中化が加速し様々な地方から人が集まったため、インフォームな場で酒を通して本音が出やすい状態で話すことで互いの共通点を探していたのではないかと考えています。

地方コミュニティの代役を企業が担うようになり、会社内でのコミュニティを作る必要があったのではないかと考えています。

 

 

〇なぜ「飲む」のか?

では、なぜ「飲み」のコミュニケーションを選んだのか?

別に飲むことを絶対に選択する必要はありません。運動しながらコミュニケーションをしてもいいし、飲む物も抹茶とか日本的な物でもよかったのではないでしょうか?

その理由は「酒には垣根を超える力がある」と信じられているからと考えています。

色々と調べていくと 酒と神道 は昔から深い関係性があるようです。

今年できたお米を神と一緒に食すことによって感謝の気持ちを神に分かってもらうという行事を神社が行っていたようです。神と人間では地位も住んでいる場所も全然違いますが、お酒を通す事で人間が神と同じ土俵に上がることができ、神と意思の疎通が可能になるのです。

そんな背景から お酒にはどんな垣根も超えることが出来る といった迷信的なものが広がり、酒を媒体としたコミュニケーションを選択したのではないかと考えています。

また、現代と高度経済成長期を比較すると娯楽の数に圧倒的な差があります。現代は様々な娯楽がありますが、高度経済成長期には娯楽が限られており、酒を飲むのが趣味といった人が多かったという背景も考えられます。

*ここからは不思議に思ったことを書いていきます

上記の内容からわかることは、あくまで酒の場を用意する(誘う側)はあくまで低い立場(人間)であって、上の立場(神)に感謝の気持ちを理解してもらうという枠組みがあります。

しかし、現代はどうでしょうか?上司の命令で部下が飲み会を開くという順序になっているような気がします。そして場合によっては、飲み会の場で上司が部下を叱るといった、下から上の関係性すらも崩壊しているのが現代の酒によるコミュニケーションではないでしょうか?

 

〇現代との乖離

冒頭に書いたように現代は 飲みによるコミュニケーションを良しとしない意見が目立つようになってきました。それはなぜなのでしょうか?

端的に書くと ライフスタイルの変化 であると考えています。

現代は仕事よりプライベートを重視する傾向にあります。

ではなぜ、プライベートを重視する傾向になったのでしょうか?言い方を変えるとプライベートを重視することが可能になったのでしょうか?

その理由はネットの発達と関係性が深い気がします。ネットが発達する前は、自分が所属するコミュニティというのはあくまでローカルな場であって、家族と職場の2つだけといった人が多かったはずです。

しかし、現代はネットの発達によってローカルなコミュニティだけでなく、ネットを通じたオンラインでのコミュニティに所属することが可能になりました。家族での居場所がない人は職場でのコミュニティに依存するしかなかったので、結果的に職場で長時間いることをよぎなくされています。

第3のコミュニティに所属していれば、そちらを重視することも出来ます。

また、労働賃金が上がらない現代で賃金を主目的とした労働ではモチベーションが維持できないといった経済的な影響もありそうです。

ネットの発達、経済的影響といった複雑系な問題がライフスタイルの変化をうみ

その結果として飲みニケーションに対しての反対意見が出るようになったのではないでしょうか?

 

*そもそも日本人は内向的な人が多いため、もともと飲み会と相性が悪いような気もしますが、、、、

 

 

〇これからの 飲み と コミュニケーション

これからも飲みニケーションは続くとは思いますが、これまでの形式的な飲み会から多様性のある飲み会に変化するのではないかと考えています。その多様性が良い方向に働き人達の自己肯定感を生むような飲み会であればいいと考えています。